臨床研究
2018/05/23(水)
なぜ斜角筋ではなく腕神経叢をリリースするのか?
form 脇本竜次
治療院のデスクから、、、
<胸郭出口症候群>
胸郭出口症候群とは血管・神経が斜角筋・小胸筋・第一肋骨によって、絞扼・圧迫・牽引されて痛み・痺れを生じさせる疾患です。
つまり、上肢の痺れや痛みは、この胸郭出口周囲の組織が問題となって症状が生じていることが非常に多いです。
<頸部の解剖学的特徴>
頸部の側面は大きい筋肉が少なく、胸郭出口周囲は斜角筋という細い筋肉とその前後に広頚筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋上部線維などがあります。
肩甲骨や頚椎のアライメント異常によって、頸部に負担がかかると側方の安定性は斜角筋に依存しすぎる形となり、周囲の神経・血管を絞扼・圧迫・牽引してしまいます。
そのため、頸部の側方は痛みの原因となることが多い部位であると言えます。
<神経障害性疼痛とは>
神経障害性疼痛とは神経根周囲のfascia異常による可能性があると言われています。1)
つまり、神経根周囲のfasciaは痺れなどの症状がある場合、治療が必須な部位である可能性があります。
なので、斜角筋のみの治療だけでは、腕神経叢周囲のfasciaをリリースしていないため根本原因を残したままになっていることが考えられます。
<やっていただきたいこと>
①腕神経叢の解剖図を確認
②エコーで腕神経叢を確認
③腕神経叢に圧迫を加えて痛みがある動作をしてもらう(疼痛誘発動作)
④痛みが軽減すれば、その部位の治療
<まとめ>
神経周囲のfasciaリリースで的確に原因部位の治療
<参考文献>
1)解剖・動作・エコーで導くFasciaリリースの基本と臨床―筋膜リリースからFasciaリリースへ (Fasciaの評価と治療) 木村 裕明 , 高木 恒太朗 , 並木 宏文 , 小林 只
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ー脇本竜次
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