臨床研究

2018/04/18(水)

頸部痛に腋窩神経がなぜ重要なのか?

 

 

 

 

 

from 脇本竜次

福岡行きの新幹線から、、、

 

 

<腋窩神経とは?>

腋窩神経とは腕神経叢から分布している神経で、小円筋・三角筋を栄養している神経です。

その名の通り、腋窩=脇のところを走行しています。

この神経は痛みの原因となりやすく、腋窩神経が問題となっている人はある兆候があります。

それをほのブログではご紹介していきます。

 

 

 

<頸部の解剖学的特徴>

頸部の解剖図を見てみると、神経・血管は豊富ですが筋実質は細く筋スパズム(筋攣縮・痙攣)が生じやすい特徴があります。

つまり、筋の問題で痛みが生じやすいですが、それだけでなく二次的に神経や血管などの周囲の組織に問題が生じていることがあります。

そうなるとその周囲の組織をリリースしておかないと、痛みの原因を見逃して痛みの戻りが生じてしまいます。

 

 

 

<結合組織をみる観点が必要>

結合組織をみる観点が必要です。

結合組織というのは筋・靭帯・血管・神経などの実質を指しているのではなく、筋・靭帯・血管・神経の組織の間にある組織です。

この結合組織には間質液が豊富であり、組織間の滑走性を保っています。

 

 

 

<なぜ結合組織をみるべきなのか?>

なぜこの結合組織をみる観点が必要なのでしょうか?

海外のある研究では痛みは組織の滑走性低下が関与していることが多いと報告されています。1)

つまり、組織の滑走性が痛みに重要である可能性があります。

なのでいかに結合組織の滑走性を維持・改善させるのかが痛み治療において重要であることが考えられます。

 

 

 

 

<腋窩神経と肩甲下筋の関係>

それではもう一度、腋窩神経の走行を確認してみましょう。

腋窩神経の走行を見ると腕神経叢から分岐して、脇の方に走行するのですが、肩甲下筋の下に向かって下降し肩甲下筋をまたぐと上方へと走行します。

この走行を見ていくと、肩甲下筋の部分で急に走行方向が変わり、肩甲下筋と摩擦が生じやすい位置関係になっています。

結合組織というのは、繰り返される摩擦や剪断力のような外力によって、組織の虚血となり発痛物質を放出します。

つまり、肩甲下筋の機能異常が腋窩神経に外力を加え、痛みの原因となることが考えられます。

 

 

 

<どんな人が腋窩神経が問題になりやすいのか?>

肩甲下筋の機能異常が生じていると、腋窩神経に問題が生じやすいことは先ほど説明したのですが、それではどんな人が腋窩神経が問題になりやすいのでしょうか?

それは肩甲骨の位置を見ることが重要です。

肩甲下筋が機能異常を来すと肩甲骨は外転位及び下制位となることがあります。あとは肩甲下筋の圧痛・筋硬結が存在していると腋窩神経に影響を与えていることがあります。

 

 

 

<まとめ>

解剖学的位置関係により、肩甲下筋と腋窩神経の関係性を理解しておく。

 

 

 

<参考文献>

1)Okamoto T et al 2014 Acute Effects of Self‐Myofascial Release Using a Foam Roller on Arterial Function. Jnl. Strength & Conditioning Research.28(1):69-73

 

 

 

動画はこちら

 

 

最後までブログをご覧いただきありがとうございました。

ー脇本竜次

 

 

 

 

 

 

 

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