臨床研究
2018/05/07(月)
殿部外側の疼痛に有効な滑液包の理学的検査
from 脇本竜次
自宅のデスクから、、、
<原因の特定>
痛みの原因の特定にはMRIやRGなどが使用することが、主流となっていますが、MRIやRGの変化の大きさは痛みと相関しないと言われています。1)2)
つまり、痛みの原因を特定することは必要なのですが、その方法については有効である手段が明確でない可能性があります。
<殿部外側の痛み>
殿部外側の痛みについてですが、様々な要因があります。
今回は大転子滑液包に着目します。
滑液包とは組織間の摩擦を緩衝するものでありクッションのような機能を果たしています。
この大転子滑液包が硬くなることによって、大腿外側の痛みが生じやすくなると言われています。
<腸脛靭帯との関わり>
この大転子滑液包の機能障害によって、腸脛靭帯の柔軟性が低下すると言われています。
なので、大転子滑液包を評価する前のヒントとして、腸脛靭帯の柔軟性を確認しておくことも重要です。
<圧迫を利用した評価方法>
ある海外の研究では圧刺激を入力することにより筋痙攣を緩和させる脊髄反射機構の働きが起こるといわれています。3)
つまり、圧迫により一時的に過剰な脊髄反射が抑制され、筋が弛緩される可能性があります。
なので、筋が弛緩することによって組織の滑走性が改善され、滑液包周囲の筋の滑走性が改善されることが考えられます。
<時期の検討>
炎症の強い急性期にはこの評価方法は適していません。
なぜなら痛みの原因が滑走性の低下が原因ではないからです。
滑液包自体の腫脹・発赤・熱感が強ければ、まずは炎症が治ることを待つことも必要です。
<やっていただきたいこと>
①大転子滑液包の解剖図を確認
②エコーで大転子滑液包を確認
③大転子滑液包に圧迫を加えて痛みがある動作をしてもらう(疼痛誘発動作)
④痛みが軽減すれば、その部位の治療
<参考文献>
1)Jensen, M.C.; Brant-Zawadzki, M.N.; Obuchowski, N.; Modic, M.T.; Malkasian, D.; Ross, J.S.Magnetic resonance imaging of the lumbar spine in people without low back pain. N. Engl. J. Med.1994, 331, 69–73.
2)Van Tulder, M.W.; Waddell, G. Conservative treatment of acute and subacute low back pain.In Neck and Back Pain: The Scientific Evidence of Causes, Diagnosis, and Treatment; Nachemson, A.L., Jonsson, E., Eds.; Lippincott Williams & Wilkins: Philadelphia, PA, USA, 2000; pp. 241–269.
3)Immediate Effects of Various Physical Therapeutic Modalitieson Cervical Myofascial Pain and Trigger-Point Sensitivity Hou C-R, Tsai L-C, Cheng K-F, Chung K-C, Hong C-Z.2002;83:1406-14.
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日本運動器徒手医科学研究学会
ー臨床研究部門 脇本竜次
P.S.
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