臨床研究
2018/05/17(木)
腰痛患者の脊柱起立筋と大腰筋の関係性-エコーの活用方法-
from 脇本竜次
治療院のデスクから、、、
<脊柱起立筋について>
脊柱起立筋は深層と表層でカテゴライズされます。
深層は多裂筋・回旋筋などがあり、表層は腸肋筋・最長筋などがあります。(教科書などによって表記の誤差は多少あります)
この脊柱起立筋は腰痛と非常に関わっていると言われており、特に多裂筋・腰最長筋・腰腸肋筋は腰痛と関連していると言われています。1)
<大腰筋について>
腰椎から大腿骨の小転子に付着している筋肉で、腰部の安定性に関与しています。
この大腰筋は腰椎の安定性に関与しており、体幹の屈曲伸展のどちらにも作用しています。
ある研究では腰痛患者の大腰筋は有意な筋断面積の減少が確認された2)と報告されていますが、別の研究では大腰筋が過活動を起こしているという研究もあります。
なぜこういった逆の現象が起こるのでしょうか?
<症候の多様性>
その答えとして症候の多様性があることが理由の一つかと思います。
つまり、人によって様々な状態があるのでそれに対応できる評価方法が必要です。
<脊柱起立筋と大腰筋の関係性>
ある研究では脊柱起立筋の活動の高い腰痛患者は大腰筋の活動量が低い可能性が示唆され、またその逆の状態も確認された3)と報告されています。
つまり脊柱起立筋と大腰筋はお互いの機能を補い合っている可能性があります。
何らかの問題によって、どちらかの筋肉の筋機能が低下してしまい、片方の筋肉に負荷をかけてしまっている可能性があります。
<エコーの活用>
脊柱起立筋の表層の筋肉は触診によって筋硬度を触知できますが、深層の多裂筋や大腰筋は触知困難です。
なのでエコーを用いて組織の滑走をリアルタイムに観察することが必要であり、かつエラストグラフィーの機能を使い血液動態も観察することで正確に脊柱起立筋と大腰筋の状態を確認することができます。
こういった目的でエコーを使用し状態の観察をすることが重要であると考えます。
<まとめ>
脊柱起立筋の状態で大腰筋の過活動を予測することができる。
<参考文献>
1)odges, PW, Richardson, CA., Inefficient muscular stabilization of the lumbar spine associated with low back pain. A motor control evaluation of transversus abdominis, Spine (Phila Pa 1976),21(1996)2640-2650.
2)MRIを用いた女性腰部疾患例における大腰筋特性 ,佐藤成登志,地神 裕史,島田 雄司,山本 智章.
3)Changes in direction-specific activity of psoas major and quadratus lumborum in people with recurring back pain differ between muscle regions and patient groups . Park, Rachel J., Tsao, Henry, Cresswell, Andrew G. and Hodges, Paul W. (2013)
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ー脇本竜次
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